株主総会は決算後 3か月以内
6月下旬に向けて株主総会があちこちで開かれています。
これは決算期を3月末日に定めている企業が多いのが原因です。
株式会社では、法令によって決算期ごとに株主総会を開催しなければならないと義務付けられています。そして、決算日の翌日から3か月以内に株主総会を開かなければいけない決まりがあります。だから6月には株主総会がラッシュを迎えるんですね。
この決算日から3か月以内に開催される株主総会は定時株主総会といわれるものです。必要に応じて開催される株主総会は臨時株主総会といいます。
この株主総会は、全ての株式会社で必ず設置する最高意思決定機関になります。会社にとって大事なことはここで決定します。大事なこととは、取締役、監査役の選任や解約。会社の組織、運営、管理などに関する重要事項などです。
ニュースで、よく話題企業の株主総会の様子が伝えられることもあるので知っている方も多いのではないでしょうか?
さて、簿記です。株式といえば…。
簿記3級では「株式購入」。簿記2級では「株式発行」「株式購入」「株主資本等変動計算書」で登場します。
簿記3級の株式としては、「有価証券」の項目で登場します。
簿記3級内容から…
有価証券とは、会社が発行する株式や社債、国が発行する国債などをいいます。売買目的有価証券、子会社株式、その他有価証券など様々な種類がありますが、簿記3級では保有目的でわけずに「有価証券」(資産)勘定科目を使用します。
有価証券購入時の仕訳を確認してみましょう。
例題
6月10日 売買目的により大阪株式会社の株式を1株当り700円で30株購入し、手数料500円とともに小切手を振出して支払った。
(@700円×30株)+500円=21,500円 手数料の金額も有価証券に含めます。
6月15日 売買目的により福岡株式会社発行の社債(額面総額30,000円)を額面100円につき98円で買入れ、代金は手数料500円とともに現金で支払った。
簿記3級での有価証券購入の仕訳です。
有価証券の仕訳はこちらからご確認ください。
次は簿記2級の内容です。
簿記2級では「株式発行」と「株式購入」「株主資本等変動計算書」も登場しますね。
株式発行…
会社の設立にあたり、資金調達のために株式を発行した時は、払い込んだ金額全額を「資本金」(純資産)とするのか、「一部資本金としないのか」の2つの処理があります。払込金額全額を資本金とするのを原則処理といいます。払込金額の2分の1までは資本金としない方法を容認処理といいます。
株式購入…
簿記2級では、「売買目的有価証券」「満期保有目的債券」「子会社株式」「関連会社株式」「その他有価証券」等が登場してきます。
有価証券を保有目的で分類して、分類ごとに勘定科目が違ってきます。
仕訳に使う勘定科目と、財務諸表に載せる表示科目が違います。
株式発行時の仕訳を確認してみましょう。
株式発行 原則処理
株式の払込金額全額を資本金とする方法を原則処理といいます。
払込金額=1株の払込金額×発行株式数
問題1.浜松株式会社は会社の設立にあたり、株式300株を1株あたり60,000円で発行し、払込金額は当座預金とした。
なお、資本金に組み入れる金額は会社法が定める原則的な金額とする。
株式発行 容認処理
株式の払込金額の2分の1までは資本金としないことも認められています。これが容認処理です。
資本金に組み入れなかった金額は、「資本準備金」(純資産)とします。
問題1.浜松株式会社は会社の設立にあたり、株式300株を1株あたり60,000円で発行し、払込金額は当座預金とした。
なお、払込金額のうち「会社法」で認められる最低額を資本金に組み入れることにした。
有価証券 保有目的で分類
売買目的有価証券→売買目的で保有
満期保有目的債券→満期まで保有して利息を受取る
子会社株式・関連会社株式→支配目的で保有
その他有価証券→売買目的有価証券、満期保有目的債券、子会社・関連会社株式以外の有価証券 長期保有目的 業務提携
ということで、株式に関してご紹介しました。
簿記3級では「株式購入」
簿記2級では「株式発行」「株式購入」「株主資本等変動計算書」
と種類も増えていきます。
実際の株の売買や、株主総会などをイメージしながら
簿記を勉強すると知識が定着しやすいんですよ。
簿記2級では、剰余金の処分もあります!
とても大事な論点です。
それについてはまた今度。