ファイナンスリース


リース取引について確認します。簿記2級では一部のリース取引が平成29年6月より試験範囲に含まれましたが、商工会議所ホームぺージに記載の簿記2級の範囲は、①ファイナンス・リース取引の借手側の処理(利子込み法、利子抜き法(定額法)) ②オペレーティング・リース取引の借手側 の処理 となっています。利息法や級数法は1級の範囲です。気になるところですが簿記2級を取得するためには2級の範囲を網羅し理解をしていくことが大事です。

 

リース取引とは、コピー機や、営業車、機械などの固定資産を、借手側が貸手側から決められた契約期間にわたって使用する権利をあたえられ、使用料を支払う取引のことをいいます。リース取引は「ファイナンスリース」と「オペレーティングリース」に分類されます。

更に、所有権移転外リース取引…リース契約終了後物件を返却します。所有権移転リース取引…リース契約終了後物件が自分のものになる取引。と2つあります。

 

ファイナンスリース取引は、2つの要件を満たす取引です。

その① リース期間の途中で解約ができない(ノンキャンセラブル)

その② コストを借手側が負担する(フルペイアウト)

オペレーティングリース取引は、上記の①のみ満たす、②のみ満たす、①②両方満たさない取引です。

ファイナンスリース取引

ファイナンスリース取引の処理

ファイナンスリース取引は、①解約できない、②コストの負担 がありますので、実質的には固定資産を所有しているのと変わりません。固定資産を取得し、毎月支払いをしているというイメージです。ですので売買処理もしますし決算時には減価償却も行います。

仕訳は、①リース契約時 ②リース料支払時 ③決算 で処理を行います。

 

①リース契約時 リース取引の開始日にはリース資産を取得し、月々の支払い義務も発生するので「リース資産」(資産)「リース負債」(負債)勘定科目を使って処理を行います。リース資産、リース負債の金額を算定するにあたり、「利子抜き法」(原則法)と「利子込み法」(簡便法)があります。

 

 

利子抜き法(原則法)

利子抜き法とは、リース料総額に含まれているリース利息分を差し引いた金額をリース資産、リース負債として計上する方法です。

リース資産、リース負債の金額:リース料総額ーリース利息料

 

①リース契約時

問題1.当期首4月1日にA社と営業車のリース契約を年間60,000円で契約した。契約期間は5年間で毎年3月31日に1年分のリース料を支払うことになっている。リース料総額は300,000円、見積現金購入価格は240,000円である。

利子抜き法の場合は、リース料総額300,000円から利子分を差し引いた「見積現金購入価格」が「リース資産」「リース負債」の金額になります。

 

②リース料支払時

問題2.当期首4月1日にA社と営業車のリース契約を年間60,000円で契約した。契約期間は5年間で毎年3月31日に1年分のリース料を支払うことになっている。なお、リース料総額に含まれるリース利息料は12,000円である。当座預金よりリース料支払いを行った。

1年間のリース料60,000円を当座預金から支払い、支払わなければならないリース債務 5年間で240,000円。このうち1年間分の48,000円の支払いをしたのでリース債務を減少させます。差額はリース利息料です。300,000円ー240,000円=60,000円が5年間の利息です。

1年分の支払いですので12,000円になります。

利子込み法(簡便法)

利子込み法とは、リース利息分が含まれているリース料総額をリース資産、リース負債として計上する方法です。

リース資産、リース負債の金額:リース料総額

 

①リース契約時

問題1.当期首4月1日にA社と営業車のリース契約を年間60,000円で契約した。契約期間は5年間で毎年3月31日に1年分のリース料を支払うことになっている。リース料総額は300,000円、見積現金購入価格は240,000円である。

利子込み法は、リース料総額が「リース資産」「リース負債」の金額になります。

 

②リース料支払時

問題2.当期首4月1日にA社と営業車のリース契約を年間60,000円で契約した。契約期間は5年間で毎年3月31日に1年分のリース料を支払うことになっている。なお、リース料総額に含まれるリース利息料は12,000円である。当座預金よりリース料支払いを行った。

決算時

ファイナンスリース取引は決算時にリース資産の減価償却を行います。・所有権移転外リース取引 ・所有権移転リース取引 では少し異なるところがあるので説明しますね。

①所有権移転外リース取引

所有権移転外では、リース契約終了後に物件を返却するので、残存価格はありません。リース期間を耐用年数とします。

②所有権移転リース取引

所有権移転では、リース契約終了後に物件は自分の所有となるので、自己所有の資産と同じ処理を行います。残存価格、耐用年数は他の資産と同様です。

 

問題1.決算になり、所有しているリース資産(240,000円)の減価償却を間接法で行う。リース期間は5年間、耐用年数は6年間である。残存価格は取得原価の10%である。

 

①所有権移転外リース取引

240,000円÷5年=48,000円

 

 

②所有権移転リース取引

240,000円×0.9÷6年=36,000円