国庫補助金などの交付を受けて資産を購入したり、地震・火災などにより滅失した建物などを再建する場合があります。国庫補助金などで購入した有形固定資産は、取得原価から国庫補助金等の金額を差引いて計上することが出来ます。これを圧縮記帳といいます。受取った補助金に対して税金が課されないようにするための措置です。
この制度は、圧縮対象となった資産について、購入時点での課税を回避する制度です。圧縮された資産は圧縮後の帳簿価格が減価償却や売却時の譲渡簿価となりますので、課税が免除されるわけではなく、課税の延期となる制度です。
この圧縮記帳は①国庫補助金を受取時 ②有形固定資産を取得時 ③圧縮記帳時 ④決算時 で仕訳を行います。会計処理方法は、積立金方式、直接控除方式がありますが、簿記2級ではを直接控除方式が出題範囲になっています。
国庫補助金を受取時には、「国庫補助金受贈益」(収益)で処理します。国庫補助金収入勘定、受入国庫補助金勘定を用いることもあるので問題文をよく読むように注意してくださいね。
問題1.当社は建物を取得するために国庫補助金3,000,000円を受取り、当座預金に預け入れた。
有形固定資産を取得した時には通常の処理と同じです。
問題2.建物を取得するために5,000,000円を小切手を振り出して支払った。
有形固定資産の圧縮時には「固定資産圧縮損」(費用)勘定を使用します。受取った国庫補助金の分だけ有形固定資産を減額します。
問題3.この建物について、圧縮記帳を行う。
決算時には圧縮記帳後(国庫補助金減額後)の取得原価で減価償却を行います。
問題4.当期首に購入した建物について減価償却を行う。(取得原価5,000,000円 国庫補助金3,000,000円を受取り圧縮記帳済み)減価償却方法は定額法、残存価格ゼロ、耐用年数は5年、間接法で記帳する。
減価償却計算:(5,000,000円ー3,000,000円)÷5年=400,000円