有価証券


有価証券とは、会社が発行する株式や社債、国が発行する国債などをいいます。

売買目的有価証券、子会社株式、その他有価証券など様々な種類がありますが、簿記3級では保有目的でわけずに「有価証券」(資産)勘定科目を使用します。 

企業や国は、新規工場を建設したり新しい商品を開発するのに多額の資金が必要になります。そういった資金調達のために、 株券や債券を発行します。株式会社が資金を調達する際に発行するのが 株券です。株券を保有していると株を発行している企業が利益が出た場合は「配当金」を受けとることが出来ます。社債や国債を持っていると利息の受取りが出来ます。

有価証券は売買され、安い時に購入し高い時に売却すれば儲けを得ることが出来ます。 

 

「有価証券」は資産グループです。ですので有価証券が増加したら、左側に。有価証券が減少したら右側に仕訳をしましょう。

有価証券 購入時の処理


6月10日 売買目的により大阪株式会社の株式を1株当り700円で30株購入し、手数料500円とともに小切手を振出して支払った。

(@700円×30株)+500円=21,500円 手数料の金額も有価証券に含めます。

6月15日 売買目的により福岡株式会社発行の社債(額面総額30,000円)を額面100円につき98円で買入れ、代金は手数料500円とともに現金で支払った。

配当金 利息の受取り時の処理


配当金を受け取った時

6月20日 かねてより所有する東京株式会社の株式100株につき1株あたり10円の配当があり、株式配当金領収書を受け取った。

※配当金領収書はすぐに換金できるもので、通貨代用証券です。簿記上の「現金」となります。ですので配当金領収書を受け取った時には「現金」の増加として処理します。相手勘定科目は配当金を受け取った時は、「受取配当金」(収益)勘定科目を使います。

利息を受け取った時

6月21日 かねてより所有する岐阜株式会社の社債の利払日が到来し、当座預金口座に3,000円が振り込まれた。

有価証券 売却時の処理


6月25日 かねてより保有していた青森株式会社の株式100株(取得価格@1,200円)を全株@1,250円で売却し、代金は当座預金口座に振り込まれた。

借方 当座預金 125,000円は株を@1,250円で100株売却して受け取ることの出来る金額です。当座預金に125,000円振り込まれました。

貸方 有価証券 120,000円は取得していた株、@1,200円を100株売却しています。売却により手許から減少する有価証券の金額です。

差額 借方125,000円と貸方120,000円の差額が有価証券を売却したことによる儲けです。

120,000円の有価証券が125,000円で売却できたのですから5,000円の儲けです。

有価証券を売却して儲けたのですから「有価証券売却益」(収益)勘定を使用します。

もしも有価証券を売却して損した場合は「有価証券売却損」(費用)勘定を使用します。

6月28日 かねてより保有していた額面総額30,000円(取得価格は額面100円につき98円)の東京株式会社の社債を額面100円につき97円で売却し、代金は当座預金に振り込まれた。

借方 当座預金 29,100円は売却して受け取ることの出来る金額です。

額面総額30,000円の社債 額面100円につき97円で売却しています。

貸方 有価証券は売却して手許から減少する有価証券の金額です。取得価格は額面総額30,000円の社債 額面100円につき98円です。

差額 借方29,100円と貸方29,400円の差額が有価証券を売却したことによる損です。29,400円の社債が29,100円でしか売却できなかったのですから300円の損です。有価証券を売却しての損ですから「有価証券売却損」(費用)勘定を使用します。