二勘定制 一勘定制
簿記3級では、第2問目に多く出題されている「帳簿」についてです。今回はそのなかでも「当座預金出納帳」を確認します。
当座預金出納帳から仕訳をおこす問題が出題されたことがあります。当座借越がからんでくる問題で、当座借越は一勘定制と二勘定制があります。「当座預金」と「当座借越」の2つの勘定を用いるのが「二勘定制」です。「当座」の1つの勘定を用いて処理するのが「一勘定制」です。
「当座借越」は、当座預金口座の残高を超えて小切手を振り出した場合でも、借越限度額までならば銀行が立て替えてくれる契約をすることが出来ます。この契約を当座借越契約と言います。残高を超えて振り出した分を自動的に貸し付けてくれるもので、銀行への借金を意味します。当座預金へ振り込みがあったら、まず「当座借越
」の返済を優先して行い、返済後当座預金へ入れることになります。
当座預金出納帳は「当座預金」の増減取引の詳細を記します。仕訳には必ず借方か貸方に「当座預金」が登場します。預入欄に金額が載っていれば、当座預金に預け入れたという事なので、仕訳の借方が「当座預金」になります。引出欄に金額が載っていれば、当座預金からの引出しという事なので、仕訳の貸方が「当座預金」となります。
132回 第2問 類似問題
静岡商店における、8月中の当座預金出納帳(残高欄は各自計算)の記入は下記のとおりである。
この記入にもとづいて、答案用紙の各日付の仕訳を示しなさい。ただし、同店は借越限度額を¥100,000とする当座借越契約を取引銀行と結んでいる。なお、使用する勘定科目は、次の中から適当と思われるものを選ぶこと。
この問題では仕訳に使用する勘定科目の指定がありますが、「当座借越」勘定があることから「二勘定制」をとっていることが分かります。
12日の取引後、残高は159,500円となっています。その後15日に給料支払いで160,000円の引出しを行いますが、残高を超えた引出しになるので銀行からの当座借越契約にもとづき、自動的に足りない資金500円を借りることとなります。当座預金に振り込みがあったら、銀行への借金を優先的に行います。銀行への借金を返済後、当座預金の増加とすることが出来ます。